特集春闘特集
2023年春闘特集 III
多くの大手労組で「満額回答」を引き出す
〜中堅・中小労組への波及にも期待〜
5月8日に「5類感染症」への移行が決まるなど、ようやく新型コロナウイルス感染症の収束が見えはじめた一方で、依然として不穏なウクライナ情勢や記録的な物価高などが経済の先行き不透明感を増幅している。このようななか、3月15日に労働組合からの賃上げ等の要求に対して大手企業からの集中回答が行われた。連合の芳野友子会長は「産業により違いはあるものの、多くの組合で、連合が賃上げに改めて取り組んだ2014闘争以降で最高となる賃上げを獲得した」と強調。加えて「先行組合が引き出した回答は、総じて後に続く組合を勇気づけるものである。交渉中の組合においては、要求の趣旨に沿った回答を引き出すべく、最後の最後まで粘り強く取り組んでいただきたい」との意気込みを示した。また、経団連の十倉雅和会長は「今年の春季労使交渉は、『物価動向』への対応が社会的に強く求められるという近年に経験のない状況で行われている」と指摘した上で、「自動車や電機等の大手企業が、約30年振りといえる大幅なベースアップや、満額回答を含む高い水準の賞与・一時金など、物価上昇を十分に考慮した積極的な対応を表明」したことに関して、「賃金引上げのモメンタムにこれまで以上の力強さを与える」と評価した。ここでは3月15日に金属労協(JCM)が開いた産別の合同会見の模様を紹介するほか、集計速報の資料などを掲載する(写真は3月15日のJAM本部(東京・港区)の模様)。
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