特集最高裁判決を読み解く!
-令和6年4月26日 滋賀県社会福祉協議会事件-
労使間で職種限定合意が成立している場合は 個別同意なく合意に反する配転命ずる権限有しない
4月26日に配転命令の有効性などを争った最高裁判決が出た。特集では、滋賀県社会福祉協議会事件最高裁判決の読み解き方や留意点などについて、弁護士の家永勲氏に解説いただく。配転命令に関しては、昭和61年7月14日の東亜ペイント事件の最高裁判決の考え方に基づく判例が長らく継続してきた。本件最高裁判決では、労使の間で職種限定合意が成立している場合には、労働者の個別同意がなく配転を命じることができないことを明確に示している。家永氏は「当然の判断」とした一方で、過去の裁判例において「職種限定合意が成立している場合においても、限定的に配転命令が可能という判断も存在していたが、これを否定したことになる」と指摘し、東亜ペイント事件以降の判例傾向や1審・控訴審の経過、関連法令の改正状況なども踏まえると、「今後の配転及び転勤などの人事異動に関して留意すべき事項を整理しておく意味がある」としている。
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