特集2022年 夏季一時金予想
2年ぶりに「増加幅拡大」に転じると予測
1 解説/2022年夏季一時金の展望 特集1では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主席研究員の小林真一郎氏に「2022年夏季一時金の展望」を解説いただく。国内景気は新型コロナの感染状況に左右され緩やかな回復にとどまっている。また、ウクライナ情勢の緊迫化にともなう資源価格高騰によって景気の下振れリスクも高まっている。今夏一時金の展望について小林氏は、「2年ぶりに増加に転じる」と予測する。またウクライナ危機の影響は懸念材料だが「春闘のタイミングで支給額を決定した企業も多く、夏のボーナスへの影響は小さいだろう」と分析している。 2 資料①/2021年夏季・冬季賞与・一時金調査(経団連調べ) 非管理職は夏季72万58円、冬季69万2033円 特集2の資料①では、経団連が今年4月に公表した「2021年夏季・冬季賞与・一時金調査」を掲載する。それによると2021年の非管理職の賞与・一時金額は、夏季72万58円(対前年増減率1.0%減)、冬季69万2033円(同1.9%増)であった。一方、管理職は夏季146万1602円(同0.2%増)、冬季134万2201円(同4.5%増)だった(調査は会員企業2064社を対象に実施。集計企業数は349社、有効回答率は16.9%) 資料②/中小企業の賃金事情(東京都調べ) 令和3年の夏季一時金平均額は40万7802円 資料②では、東京都が昨年12月に公表した「令和3年版 中小企業の賃金事情」調査より、過去1年間(令和2年7月〜令和3年6月)における賞与支給等の実態を紹介する。調査によると過去1年間に賞与を支給した企業の平均金額は、令和3年夏季一時金が40万7802円、令和2年年末一時金が41万4720円、その他賞与が8万2737円で、合計すると90万5259円となっている(調査は、別表に基づいた調査対象3500社に対し、令和3年7月31日現在で実施。集計企業数852社、回収率24.3%だった)。 資料③/令和3年夏季一時金要求・妥結状況(大阪府調べ) 令和3年の夏季一時金妥結額は64万2141円 資料③では、大阪府が公表した「令和3年夏季一時金要求・妥結状況」(最終報)を掲載する。それによると、夏季一時金の妥結額は64万2141円(前年67万7726円)、支給月数は2.15カ月(同2.29カ月)となり、3年連続で前年を下回り、平成5年の加重平均集計開始以降で最も低い額となった。また、産業別では製造業が73万7416円(同72万9696円)、2.46カ月(同2.47カ月)、非製造業が55万2829円(同61万2221円)、1.85カ月(同2.06カ月)となり、いずれも前年より減少している。
News
- 中小企業に対する賃上げ促進税制を拡充(政府の「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」)
- 改正育介法の企業への周知を徹底(令和4年度「地方労働行政運営方針」)
- インターンで取得した学生情報を利用可能に(一定要件で選考過程の一部免除などに 産学協議会報告書)
- 賃金デジタル払い、第2種に限定(同意書の様式例作成も 厚労省が方向性)
- 民間の退職金支給額、2405万円余り(前回調査から54万円減 人事院)
- 23年卒求人倍率は1.58倍(大手志向強く、中小は採用拡大に慎重)
- 約7割が正社員との不合理な待遇差を実感(東京都のパートタイマーに関する調査)
- 情報セキュリティ対策の具体例を掲載(テレワーク施設のガイドラインを策定)
- 今月の資料室
特集トピックス
多様化する労働契約のルールに関する検討会報告書
就業場所や業務の変更の範囲の明示義務を提案
連載Labor Radar
-最新の労働トピックをお届けします-
Vol.126
連載中小企業向けの わかりやすい!運用しやすい!就業規則
第1回 トラブルになりやすい規定例
明確な就業規則は労使間トラブルを防ぐ
連載アフターコロナの選ばれる企業に!テレワーク導入・実務Q&A
第13回 導入後の課題①
テレワーク環境の整備や人事制度の見直しを通じ、従業員のエンゲージメントや生産性の向上を図る
連載職場トラブル解決のヒント!
< 96 >「労働契約の明確化」がもたらすものとは?
労務相談室
- 育児・介護休業法妊娠・出産を申出た労働者への個別周知と意向確認の措置/実施時期は法や規則で定められているのか
【先見労務管理】読者会員専用サイトでは以上の記事の全文(PDF)を閲覧できます。